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[2N06] 核データを利用したパルス中性子透過分光法による密度定量イメージング手法の検討
キーワード:パルス中性子透過分光法、中性子ラジオグラフィ、核データ、密度定量イメージング
中性子ラジオグラフィは、物体内部を非破壊的に可視化するだけでなく、物体内部にある物質(特に軽元素)の定量的評価にも用いられている。しかし、中性子ラジオグラフィで定量評価を行う場合、注目する物質のみの透過率を測定する必要があり、複合物等の複数の物質で構成される物体への適用は難しい。そこで本研究では、パルス中性子透過分光法により取得される中性子透過率スペクトルを核データを用いて解析することにより、複数の物質で構成される試料において、各要素を定量評価する手法について検討した。本手法は中性子共鳴を利用した手法とは別のアプローチにより物質の量を取得するため、軽元素などの共鳴ピークの観測が難しい元素にも適用可能であるというメリットがある。鉄板・炭素板を積層させた試料に本手法を適用した場合、それぞれの量を5%程度の精度で定量的に取得できることがわかった。