2016年秋の大会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学 » 202-2 放射線物理,放射線計測

[2O06-09] 線量測定,エナジーハーベスティング

2016年9月8日(木) 10:55 〜 12:00 O会場 (くるめりあ六ツ門 セミナー室)

座長:津田 修一(JAEA)

11:25 〜 11:40

[2O08] 薄いラジオクロミックフィルムとモンテカルロシミュレーションによる深度線量分布を利用した超低エネルギー電子線照射におけるエネルギー付与量の評価

*松井 信二郎1、服部 剛明2、渡辺 祐貴2、森田 一平2、稲鶴 和也2、石川 昌義2、森 芳孝1 (1.光産業創成大学院大学、2.浜松ホトニクス株式会社)

キーワード:線量測定、低エネルギー電子線、ラジオクロミックフィルム

加速電圧50-70 kVの超低エネルギー電子線照射におけるエネルギー付与量の評価を、高エネルギー電子線で校正された薄いラジオクロミックフィルム線量計による相対線量を用いて行った。フィルム線量計内部で勾配の大きい深度線量分布をもつ場合、線量計応答から換算される吸収線量値に応答関数の非線形性が反映されないことや、線量計の厚さ全体で吸収線量が平均化されることで、線量計よりも薄い表面付近の線量を求めたい場合には線量が過小評価されてしまう問題を引き起こす。この問題を解決するため、材料と厚さの異なる3種類のラジオクロミックフィルム線量計の吸収線量を測定し、線量計の測定値とモンテカルロシミュレーションで得た深度線量分布を用いて、応答関数の非線形性を補正した。結果、厚い線量計の実測値とシミュレーションで得られた深度分布から予測された薄い線量計の線量値は、薄い線量計の測定値と誤差1σの範囲内で一致した。シミュレーションの深度線量分布はフィルム線量計より薄い領域の線量を計算するために有効であることが分かった。