2016年秋の大会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学 » 202-2 放射線物理,放射線計測

[2O10-14] 低温検出器,半導体検出器

2016年9月8日(木) 14:45 〜 16:05 O会場 (くるめりあ六ツ門 セミナー室)

座長:富田 英生(名大)

14:45 〜 15:00

[2O10] 厚いメンブレン構造を持つガンマ線検出用TES型マイクロカロリーメータの開発

*首藤 祐輝1、伊豫本 直子1、黒岩 健宏1、前畑 京介1、高野 彬1、善本 翔大1、満田 和久2、永吉 賢一郎2、林 佑2、村松 はるか2 (1.九州大学大学院、2.宇宙科学研究所)

キーワード:超伝導転移端型温度計、ガンマ線、厚いメンブレン構造を持つTES、放射線検出器

現在、開発されている放射線検出器の中で優れたエネルギー分解能を実現しているものに超伝導転移端温度計(TES)型マイクロカロリーメータがある。一般的なものはTESと冷熱浴との熱リンクが厚さ1 μm程度の窒化シリコン膜などから成るメンブレン(薄膜)構造を持つ。しかし、この熱リンクは薄いと素子自体が破損しやすくなってしまう。そこで熱リンクの構造をある程度厚くすることは、強度を高める上で有用であると考えられる。今回は基板として、酸化シリコンの層がシリコン層に挟まれた構造のSOI(Silicon On Insulator)基板を選択した。このSOI基板により形成したメンブレン構造は上層から順に、1μmの窒化シリコン膜、15μmのシリコン層、1 μmの酸化シリコン膜である。この構造により一般的なメンブレン構造よりは強度を高めつつ、熱リンクの熱伝導度を抑えることを図った。