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[2O10] 厚いメンブレン構造を持つガンマ線検出用TES型マイクロカロリーメータの開発
キーワード:超伝導転移端型温度計、ガンマ線、厚いメンブレン構造を持つTES、放射線検出器
現在、開発されている放射線検出器の中で優れたエネルギー分解能を実現しているものに超伝導転移端温度計(TES)型マイクロカロリーメータがある。一般的なものはTESと冷熱浴との熱リンクが厚さ1 μm程度の窒化シリコン膜などから成るメンブレン(薄膜)構造を持つ。しかし、この熱リンクは薄いと素子自体が破損しやすくなってしまう。そこで熱リンクの構造をある程度厚くすることは、強度を高める上で有用であると考えられる。今回は基板として、酸化シリコンの層がシリコン層に挟まれた構造のSOI(Silicon On Insulator)基板を選択した。このSOI基板により形成したメンブレン構造は上層から順に、1μmの窒化シリコン膜、15μmのシリコン層、1 μmの酸化シリコン膜である。この構造により一般的なメンブレン構造よりは強度を高めつつ、熱リンクの熱伝導度を抑えることを図った。