2016年春の年会

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[1A04-07] 医学・生物応用1

2016年3月26日(土) 14:45 〜 15:50 A会場 (講義棟B棟 B102)

座長:吉田 浩子(東北大)

15:00 〜 15:15

[1A05] ホウ素中性子補足療法用ホウ素含有ポリマーナノミセルの創製

*米岡 修一郎1、朴 基哲1、塚原 剛彦1 (1.東京工業大学原子炉工学研究所)

キーワード:BNCT、新規薬剤、N-isopropylacrylamide、ポリマーナノミセル

現在発展途上にあり、今後有望な放射線ガン治療法の一つにホウ素中性子捕捉療法(BNCT)がある。BNCTではホウ素を高濃度かつ選択的に腫瘍内に集積させることが重要となるが、既存のホウ素薬剤では選択性・集積性に課題があり、より高機能なホウ素薬剤が求められている。本研究では、高機能なBNCT新規薬剤に資する、温度応答性ポリマーであるPoly[N-isopropylacrylamide](Poly[NIPAAm])を骨格としたホウ素含有ナノミセルを合成することを目的とした。Poly[NIPAAm]及びNIPAAmとホウ素含有モノマー3-(Acrylamido)phenylboronic acid (PBA) との共重合ポリマーPoly[NIPAAm-co-PBA]をそれぞれ合成し、それらの特性を評価した。その結果、Poly[NIPAAm]の下限臨界溶液温度(LCST)は30.5℃であるのに対し、Poly[NIPAAm-co-PBA]は11.5℃となり、PBA付加に伴って疎水化が進行することが明らかとなった。そこで、前者を親水部、後者を疎水部としたジブロックコポリマーPoly[NIPAAm-b-NIPAAm-co-PBA]を合成し、LCSTを測定したところ、20℃と29℃に2段階のLCSTを確認した。これは、ミセルノ形成を示唆するものである。また、動的光散乱法によるミセル径の測定を行い、およそ100nm程度のミセルが形成されていることを確認した。