2016年春の年会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 304-1. 伝熱・流動(エネルギー変換・輸送・貯蔵を含む)

[1C01-07] 二相流・相変化1

2016年3月26日(土) 10:10 〜 12:00 C会場 (講義棟B棟 B103)

座長:古谷 正裕(電中研)

11:10 〜 11:25

[1C05] 海水プール沸騰熱伝達に関する研究

(1)伝熱面上の海水析出物の影響

*上澤 伸一郎1、小泉 安郎1、柴田 光彦1、吉田 啓之1 (1.日本原子力研究開発機構)

キーワード:プール沸騰熱伝達、海水

福島第一原子力発電所事故において、炉心冷却のため海水が注入されたことから、海水の伝熱流動特性の評価が求められている。本研究では、伝熱面上に析出した海水成分が沸騰熱伝達に与える影響を理解するため、伝熱面に銅プリント基板を用いたプール沸騰実験を行い、伝熱面上に結晶の析出が起きる海水と析出が起きない塩化ナトリウム水溶液について、沸騰挙動の撮影ならび伝熱面温度の瞬時局所計測を実施し、比較検証した。実験より、塩化ナトリウム水溶液に比べて、伝熱面上に析出物が見られた人工海水では、同じ熱流束にもかかわらず、伝熱面の過熱度が数十℃上昇することが確認された。このときの沸騰挙動は塩化ナトリウム水溶液とは異なり、比較的小さな径の気泡が多数発生した一方で、伝熱面温度分布は比較的定常で、沸騰による伝熱面の温度変化は見られなかった。これは、析出物が熱抵抗になるとともに、沸騰が析出物上で起きているためと考えられる。