2016年春の年会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 303-3. ヒューマンマシンシステム,高度情報処理

[1M05-06] 安全概念

2016年3月26日(土) 11:25 〜 12:00 M会場 (講義棟C棟 C106)

座長:高橋 信(東北大)

11:40 〜 11:55

[1M06] Safety-I,Safety-IIと深層防護の関係性

(2)安全概念の分類と福島第一発電所における現場対応の分析

*吉澤 厚文1、大場 恭子2、北村 正晴3 (1.原燃輸送、2.日本原子力研究開発機構、3.テムス研究所)

キーワード:Safety-I、Safety-II、深層防護、東日本大震災、福島第一原子力発電所事故、5号機冷温停止、レジリエンスエンジニアリング

福島第一原子力発電所の事故対応では,現場において様々な作業が為されている。これらの多くは,消防車での炉心への注水に代表されるように,予め設計されていたものがその動作を期待できない中,応用動作として実施したものである。本稿では,福島事故における深層防護による予防措置とその動作状況を整理した上で,事象への対応において必要な安全概念を分析する。特に,冷温停止に成功した5号機の事象を具体的に分析し,レジリエンスエンジニアリング手法を用いて,実際の事故現場における行動をSafety-I, Safety-IIと深層防護の関係性を踏まえて分類し,レジリエンスエンジニアリングの4つの基礎能力との関連を整理した。この整理を通じて,システムの変化にしなやかに対応できるSafety-IIの原子力における必要性を明示するとともに,レジリエンスエンジニアリングが指摘している成功事例の分析の重要性を確認する。