2016年春の年会

講演情報

一般セッション

IV. 核燃料サイクルと材料 » 403-1. 原子炉化学,放射線化学,腐食化学,水質管理

[1N13-16] ラジオリシス

2016年3月26日(土) 16:55 〜 18:00 N会場 (講義棟C棟 C202)

座長:石田 一成(日立)

17:10 〜 17:25

[1N14] 立方晶ジルコニアを添加した水の放射線分解水素発生

*松本 義伸1、井上 将男2、永石 隆二2、小川 徹1 (1.長岡技術科学大学、2.日本原子力研究開発機構)

キーワード:立方晶ジルコニア、放射線分解、水素発生、純水、海水

原子炉のシビアアクシデントにより生ずる放射性廃棄物には、ジルコニウムの酸化生成物が多量に存在する。廃棄物に含まれる水は、電離放射線に曝されることにより水素等を発生するが、水素の発生量は水中に存在する固体酸化物により影響を受けることが知られている。
我々は廃棄物長期保管における水素安全評価のために、燃料被覆管として用いられるジルカロイ-4を酸化したジルコニウム酸化生成物を調製し、これを添加した水の放射線分解水素発生を評価してきた。比較対象として市販の単斜晶ジルコニアおよびイットリア安定化ジルコニア(YSZ)を用いることにより、YSZにのみ顕著な水素発生促進効果がみられたが、YSZの何が影響因子であるかは明らかとならなかった。
本研究では、正方晶ジルコニア含有YSZとの比較のために、立方晶ジルコニアを含むYSZ単結晶を添加した水の放射線分解実験を行い、水素発生等への影響について調べたので報告する。