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[2A22] 汚染の現地におけるCs吸着材の果樹への巻きの適用試験と効果の検証
幹巻き試験
キーワード:Cs吸着材、干し柿、放射性セシウム
伊達市の柿の木に布製のCs吸着材を巻きつけ、一定時間後に吸着材を剥がして放射能を測定する試験を4年間継続している。吸着材の放射能の増加量を総合的に評価した。その結果、落果、落葉などの柿の木自身の代謝によって、実や葉などに含まれて樹体から除去されるCsの年間の総量に匹敵する量が、吸着材に吸着・固定化されたものと評価した。よって、吸着材の幹巻きは、自然にCsが減少するのを待つことと比べて、より早く樹体中のCsの除去に役立つと期待される。実際に、当該畑の柿の実のCs濃度が減少した結果、2015年から干し柿の生産が再開できた、ということで幹巻きの効果が実証できた。また、別の応用として、吸着材のCs量の増加の量と速度を解析すれば、林地におけるCsの動態を知るための簡便なモニタリング方法として応用できると考えられる。