2016年春の年会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 304-1. 伝熱・流動(エネルギー変換・輸送・貯蔵を含む)

[2C06-10] 福島原発事故関連2

2016年3月27日(日) 10:50 〜 12:10 C会場 (講義棟B棟 B103)

座長:溝上 伸也(東京電力)

11:20 〜 11:35

[2C08] 東京電力福島第一原子力発電所炉内状況把握の解析・評価

(66)IC模擬試験装置での試験と凝縮性能評価

木倉 宏成1、伊藤 覚1、*石塚 隆雄1 (1.東京工業大学)

キーワード:東京電力福島第一原子力発電所、凝縮性能評価、IC、凝縮伝熱、蒸気流量

非常用復水器(IC)は福島第一発電所1号機に設置され、作動中は蒸気を凝縮させ、炉心冷却に寄与した。ICの伝熱管を介した熱交換では、凝縮伝熱の領域と凝縮した液相の伝熱領域とで伝熱特性が大きく異なるため、1号機の事故進展過程の調査には、ICの凝縮性能を正しく評価することが重要となる。本研究はICの機器構成を模擬した試験装置により、凝縮性能を評価する為の基礎データ取得を目的とする。試験部伝熱管はU字型水平円管で、凝縮槽内の冷却水との熱交換により蒸気凝縮させるものであり、内径約10mm、流路長約2mのSUS製である。主要な計測対象は伝熱管出入口圧力、蒸気流量、伝熱管内流体温度、凝縮槽冷却水出入口温度と流量、凝縮槽内温度分布である。試験は蒸気圧力0.2~0.4MPa.abs、最大流量約30kg/hで行い、伝熱管内部の温度測定データより凝縮伝熱性能評価の基礎的なデータを得るとともに、凝縮終了位置を評価した。本成果はIC伝熱性能計算に役立てることができる。