2016年春の年会

講演情報

一般セッション

IV. 核燃料サイクルと材料 » 405-2. 放射性廃棄物処分と環境

[2F10-13] 人工バリア

2016年3月27日(日) 14:45 〜 15:50 F会場 (講義棟B棟 B201)

座長:佐藤 努(北大)

15:15 〜 15:30

[2F12] 地層処分場周辺の温度条件におけるCa型ベントナイトに対する過飽和ケイ酸析出挙動の評価

*笹川 剛1、千田 太詩1、新堀 雄一1 (1.東北大学大学院工学研究科)

キーワード:Ca型ベントナイト、過飽和ケイ酸、析出挙動、温度影響

高レベル放射性廃棄物の地層処分場坑道の埋め戻し材の一部にはNa型ベントナイトが用いられる。Na型ベントナイトは地下水に含まれるCaイオンとイオン交換することでCa型化し、透水性の上昇や膨潤性の低下を生じるために、バリア性能が劣下する可能性が指摘されている。一方、処分場の建設に用いられる大量のセメント系材料によって地下水が高アルカリ化し、処分場周辺ではベントナイト等からその主成分のケイ酸が溶出する。この高濃度のケイ酸が地下水の混合に伴って過飽和となりベントナイトに析出することで、地下水流路は狭められ、核種移行を抑制する効果が期待できる。そこで本研究では、Ca型ベントナイトに対する地下の温度影響を考慮した過飽和ケイ酸の析出挙動を評価した。その結果、地下300 m以深に想定される50℃までの範囲において、温度上昇によってCa型ベントナイトへの過飽和ケイ酸の析出が促進されることを実験により明らかにした。