2016年春の年会

講演情報

一般セッション

IV. 核燃料サイクルと材料 » 401-2. 核燃料とその照射挙動

[2G07-10] 基礎物性・新燃料

2016年3月27日(日) 14:45 〜 15:55 G会場 (講義棟B棟 B203)

座長:笠田 竜太(京大)

14:45 〜 15:00

[2G07] 蛍石構造酸化物中のイオントラック構造と微細組織発達

(1)CeO2とZrO2の比較

*髙木 聖也1、安田 和弘2、松村 晶2、石川 法人3 (1.九州大学大学院工学府、2.九州大学工学研究院、3.日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究センター)

キーワード:蛍石構造酸化物、核分裂片、高密度電子励起損傷、イオントラック、透過型電子顕微鏡

蛍石構造酸化物は、次世代核燃料や核変換処理の母相の候補材料として研究されており、放射線照射に伴う微細組織変化の形成メカニズムを明らかにすることは重要な課題である。本研究では高速イオン照射によりCeO2中に形成されるイオントラック構造とその重畳に伴う微細組織発達を透過型電子顕微鏡を用いて観察した。CeO2中には直径2 nmのイオントラック中心領域で空孔密度が増加しており、そのような領域の重畳に伴い結晶中には高密度の転位組織が形成されることがわかった。これは、高密度の空孔を含むイオントラックが照射量の増大に伴って形成と回復を繰り返す間に格子間原子の蓄積が生じ、転位組織が発達したと考えられる。また、低照射量の高速イオンを照射したYSZ中に形成されるイオントラックは、CeO2中のものと比較すると、そのサイズは小さく、面密度も非常に小さいということがわかった。これはYSZ中の酸素イオン構造空孔に起因していると考えられる。