2016年春の年会

講演情報

一般セッション

IV. 核燃料サイクルと材料 » 405-1. 放射性廃棄物処理

[2I19-23] 福島事故廃棄物処理技術4

2016年3月27日(日) 17:10 〜 18:30 I会場 (講義棟B棟 B200)

座長:馮 旗(香川大)

17:55 〜 18:10

[2I22] 多核種除去設備から発生した炭酸塩スラリーの放射線分解による水素発生

*荒井 陽一1,2、比内 浩1,2、駒 義和1,2、池田 昭2,3、小畑 政道2,3、柴田 淳広1、野村 和則1 (1.日本原子力研究開発機構、2.国際廃炉研究開発機構、3.株式会社東芝)

キーワード:福島第一原子力発電所、多核種除去設備、放射線分解、水素ガス発生

多核種除去設備の炭酸塩スラリー廃棄物を収納している高性能容器(HIC)の上部から漏水が発生しており、その原因は水の放射線分解により生じたガス成分の滞留による見かけの体積膨張に起因するものと推察されている。
事象の調査のため、実スラリーから発生する水素量を測定し、炭酸塩スラリーの水素発生挙動について調査した。炭酸塩スラリーから発生する水素の総量は時間に比例して増加した。ここで、発生した水素は全て水の放射線分解により生じたものとすると、その収率は水のG値と同程度であった。このことから、発生した水素は、スラリーに含まれる水の放射線分解に起因するものであると推察され、HIC上部から漏水が発生した原因の一つである可能性が示された。