2016年春の年会

講演情報

一般セッション

V. 核融合工学 » 501-2. 核融合炉材料工学(炉材料,ブランケット,照射挙動)

[2L07-11] 核融合材料工学(ダイバータ)

2016年3月27日(日) 14:45 〜 16:05 L会場 (講義棟C棟 C105)

座長:土屋 文(名城大)

15:00 〜 15:15

[2L08] 自己イオン照射したタングステン中での水素同位体交換挙動

*鈴木 美博1、高木 郁二1 (1.京都大学)

キーワード:水素同位体交換、捕捉、再結合、照射損傷、タングステン

自己イオン照射したタングステン中に捕捉された重水素を、水素の交換によって除去する実験を行った。タングステン試料に、4.8MeVのタングステンイオンを室温で約1019 m-2照射し、次に昇温して水素の捕捉サイトを生成させた。この試料を重水素プラズマに十分な時間暴露した後に、プラズマを水素に切り替えるか、またはプラズマを停止して真空に暴露した。この間の重水素濃度の変化を核反応法を用いてその場測定した。その結果、水素プラズマに暴露した方が真空に暴露するよりも重水素の量は速やかに減少した。
重水素濃度の変化は拡散、脱捕捉、再捕捉および表面再結合の4つの過程を考えると説明することができた。水素プラズマ曝露の効果は、入射した水素が捕捉サイトを占有して再トラップを抑制したか、重水素と水素の再結合により表面からの放出を促進したことによると考えられる。