2016年春の年会

講演情報

一般セッション

IV. 核燃料サイクルと材料 » 401-1. 基礎物性

[3G01-05] 基礎物性1

2016年3月28日(月) 09:30 〜 10:55 G会場 (講義棟B棟 B203)

座長:宇埜 正美(福井大)

09:30 〜 09:45

[3G01] 大気中で生成したZr合金酸化膜中の重水素拡散

*加藤 太郎1、高木 郁二1、坂本 寛2 (1.京都大学大学院工学研究科、2.日本核燃料開発株式会社)

キーワード:被覆管、Zr合金、水素拡散、大気酸化、酸化膜

軽水炉の燃料被覆管に用いられているZr合金は、冷却水との反応で酸化膜を表面に生成し、その際に発生した水素を吸収して水素脆化を起こす可能性がある。合金と水との間に存在する酸化膜の水素拡散係数は非常に小さく、水素吸収に対するバリアとして働くため、水素の酸化膜中での拡散機構を調べることは、被覆管の安全性を確認するうえで重要である。本研究では、高温大気中(400-600℃)で生成した酸化膜中と高温高圧水蒸気中で生成した酸化膜中の重水素拡散挙動をイオンビーム分析を用いて調べた。その結果、大気中で生成した酸化膜のほうが重水素の拡散が遅いことが分かった。水素の拡散は、酸化膜中の水素量に依存する可能性が高いと思われる。