2016年春の年会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学 » 201-1. 原子核物理,核データ測定・評価・検証,核反応工学

[3J11-13] ベータ崩壊,遅発中性子

2016年3月28日(月) 14:45 〜 15:30 J会場 (講義棟C棟 C102)

座長:牧永 あや乃(あいんしゅたいん基礎科学研)

15:00 〜 15:15

[3J12] 準粒子乱雑位相近似法を適用したベータ崩壊データベースの作成

*湊 太志1 (1.原子力機構)

キーワード:核データ、ベータ崩壊、遅発中性子、ベータ線、核構造理論

核分裂生成物を含む不安定な原子核のベータ崩壊およびそれに伴って放出される遅発中性子の量は原子力工学だけではなく天体核物理でも重要である。しかしながら、遅発中性子分岐比やそのスペクトルなど、いまだ実験的に調べられていないデータが存在している。それら未知のデータを補完するために、本研究では核構造を正確に考慮した準粒子乱雑位相近似法によるベータ崩壊の計算を行った。これまで275 核種のベータ崩壊半減期について計算を行い、おおよそファクター1 10 の範囲内で実験データを再現できることが分かった。しかしながら、その再現精度は大局的理論より劣っており、その原因について分析した結果、本研究で取り扱っていない第一禁止遷移の影響が大きいことが分かった。講演では、より詳細に第一禁止遷移の寄与について触れ、また遅発中性子についても議論する。