2017年秋の大会

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VI. 保健物理と環境科学 » 保健物理と環境科学

[1Q01-04] 環境動態

2017年9月13日(水) 14:45 〜 15:50 Q会場 (フロンティア応用科学研究棟 レクチャーホール)

座長:永井 晴康 (JAEA)

15:00 〜 15:15

[1Q02] 福島第一原発事故に由来した放射性微粒子中90Srの放射能測定

*中村 駿介1、遠藤 暁1、梶本 剛1、田中 憲一1、前田 誠1 (1. 広島大学)

キーワード:福島第一原発事故、放射性微粒子、Sr-90、モンテカルロ計算、Si検出器応答関数

福島第一原発事故によって主成分がガラスであり、高濃度の放射性Csを含んだ放射性微粒子が放出されたことが確認された。放射性微粒子に含まれる放射性物質は現在では放射性Csが報告されているが、それ以外の核分裂生成物についての放射能値は報告されていない。本研究は比較的長い半減期を持つ90Srの有無を確認し、放射能値を定量することを目的とする。Si検出器によって放射性微粒子からのベータ線を測定し、バックグラウンドを差し引いて得た測定スペクトルをモンテカルロ計算によって計算した1Bq当たりの放射性Csと90Sr-90Y放射平衡に対するSi検出器応答関数でフィッティングした。その結果、応答関数は測定スペクトルをよく再現し、ベータ線の高エネルギー成分から90Sr-90Yを定量した。また、このフィッティングによって得た放射性Csの放射能値はGe検出器を用いて得た値とほぼ一致した。このことから、本手法により放射性微粒子中の90Sr-90Yを定量できることが示された。