2017年秋の大会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学 » 202-2 放射線物理,放射線計測

[2L10-13] 医療応用

2017年9月14日(木) 14:45 〜 15:50 L会場 (N棟 N302講義室)

座長:神野 郁夫 (京大)

15:15 〜 15:30

[2L12] 陽子線RBEの評価

*永井 浩貴1、遠藤 暁1、田中 憲一1、梶本 剛1 (1. 広島大学)

キーワード:RBE、マイクロドシメトリ、陽子線

陽子線は、エネルギーによって飛程が決まり、その終端近くでエネルギーを急激に放出してブラッグピークを形成する。そのため、腫瘍とブラッグピークの位置を合わせることで、周囲の正常細胞に大きな影響を与えることなく治療を行うことができる。また、放射線の種類によって生物学的影響の強さが異なることを表す指標として、生物学的効果比(RBE)が用いられる。陽子線治療において、生物実験ではRBE=2以上の値が期待されているが、実際の治療ではRBE=1〜1.1の値が使用されている。この違いを明らかにする前段階として、単一エネルギーの陽子線において、マイクロドシメトリ手法を用いて陽子線RBEを推定・評価することが目的である。実験はHAIMACで行い、135MeVの陽子線を、人体を模擬したアクリルファントムへ入射させた。ファントムの厚さを変えることで、人体の深さごとのRBEを推定・評価した。結果として、RBEはブラッグピークと同様の傾向を示し、最大2であった。