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[2N08] 陽子線スポットスキャニング照射における動体追跡用金マーカーの三次元線量分布に対する影響評価
キーワード:陽子線治療、ブラッグピーク、動体追跡照射技術、金マーカー、三次元線量分布計算
陽子線は飛程終端でブラッグピーク(Bragg peak)を形成し、付与線量分布が鋭いピーク状となるため、体内の腫瘍に線量を集中させることができる。また、呼吸等でターゲットが移動することに対処する方法として、体内に埋め込んだ金球のマーカー(gold markers)がある決まった位置に来た時にのみビームを照射する、動体追跡照射技術(real time tumor tracking)がある。X線透視装置を用いてそれが目標の±2㎜程度に入ったときに陽子線を照射することで、照射精度を上げることができる。しかし、金は密度が19.3g/cm3とかなり高く、陽子線の飛程が短くなるとともに散乱角度も大きくなる。この影響を考慮するためには、水等価厚で線量を評価するのではなく金の阻止能とそれによる陽子線の散乱角を正確に反映した計算をする必要がある。本研究では、金マーカーの三次元線量分布(three dimensional dose distribution)に対する影響を評価するため、異なる媒質に対応できる線量分布を解析的に計算するコードを作成したのでそれについて報告する。