[1B15-19] トリチウム増殖材料

[1B16] 固体増殖材リチウム過剰チタン酸リチウムおよび酸化リチウムと構造材F82Hとの共存性

*筆前 和大¹、寺井 隆幸¹、毛 偉¹ (1. 東京大学工学系研究科原子力国際専攻)

キーワード：固体増殖材、F82H、拡散

本研究ではLi過剰Li₂TiO₃およびLi₂Oと,F82Hとの共存性を実験及びシミュレーションを用いて明らかにすることを研究目的とした. 共存性を観察するためにLi過剰Li₂TiO₃(Li/Ti比=2.27)およびLi₂OとF82Hを接触させた状態で高温(400℃)長時間(500h-4000h)保持する実験を行った. XRDを用いて分析を行った結果,F82H側の界面にLiCrO₂やLiFeO₂などのピークが見られた. 加えてSEMでの観察ではLi₂Oと接触していたF82Hにおいて増殖材からO原子が侵入し,バンド状の反応層が生成されていることが確認できた. 今後はSIMSを用いてLiの分布についても観測する予定である. また,第一原理計算を用いた各反応の活性化エネルギーの導出およびF82Hを模した体系でのLiとOの拡散の様子について分子動力学を用いたシミュレーションを行った. その結果, 得られた電子状態や活性化エネルギーなどから, F82H中に含まれるCrがLiやOの拡散の挙動に影響を与えていることが示唆された.