2017年春の年会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学 » 203-3 ビーム利用・ターゲット

[1C06-10] マイクロビーム・ナノ構造分析

2017年3月27日(月) 14:45 〜 16:05 C会場 (16号館 16-203教室)

座長:林崎 規託 (東工大)

15:30 〜 15:45

[1C09] 真空内液体ジェットを用いた水溶液中の生体分子の高速重イオン照射損傷

*土田 秀次1、野村 真史1、梶原 章弘1、間嶋 拓也1、斉藤 学1 (1. 京大院工)

キーワード:生体分子照射損傷、水溶液の放射線分解、重イオン照射

重粒子線がん治療における正常細胞の照射損傷を原子レベルで解明することを目的として、液体ジェット法を用いて水溶液中の生体分子の高速重イオン放射線分解を調べた。生体分子のモデル物質として、2種類のアミノ酸(グリシン、プロリン)を含有した水溶液を用いた。それらの水溶液標的に高速重イオン(重粒子線治療におけるBraggピーク領域に相当する4.0 MeV 炭素イオン)のマイクロビームを照射する。生体分子損傷の水環境の影響を調べるため、照射反応によって生成した反応生成物を二次イオン質量分析法で測定し、分子分解収量を求めた。その結果、生体分子の照射損傷は、その分子の周辺にある水分子によって保護され、水環境の影響を強く受けることが分かった。