2017年春の年会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 307-1 計算科学技術

[1G01-07] 熱流動および原子炉燃料に関する解析と可視化

2017年3月27日(月) 10:00 〜 11:55 G会場 (16号館 16-207教室)

座長:中島 憲宏 (JAEA)

11:00 〜 11:15

[1G05] 多相流体コードJUPITERにおける前処理付き省通信CG法ソルバの開発

*真弓 明恵1、井戸村 泰宏1、伊奈 拓哉1、山田 進1、今村 俊幸2 (1. 原子力機構、2. 理研AICS)

キーワード:多層流体コード、クリロフ部分空間解法、省通信アルゴリズム

左前処理付き省通信CG(LP-CA-CG)法を多相流体コードJUPITERのポアソンソルバに適用した。ブロックヤコビ前処理とブロックヤコビ前処理の袖領域をポイントヤコビ前処理で近似するアンダーラップ前処理を用いた2つのLP-CA-CG法を開発した。前者は前処理付きCG法における疎行列ベクトル積や前処理における袖通信と内積処理の縮約通信のうち縮約通信のみを省通信化するハイブリッド処理であるが、後者は両者に対する完全な省通信化を行う。京コンピュータにおける性能評価の結果、トーラスネットワークでは袖通信がスケールし、さらに、アンダーラップ前処理では収束特性が大きく劣化するため、ブロックヤコビ前処理を用いる前者の方が高速であることが分かった。LP-CA-CG法は30,000ノードまで良好な強スケーリングを達成した。30,000ノードにおいて、従来のCG法に比べて縮約通信のコストを69%削減し、全体で約2倍の処理性能を達成した。