2017年春の年会

講演情報

一般セッション

IV. 核燃料サイクルと材料 » 403-1 原子炉化学,放射線化学,腐食化学,水質管理

[2I05-09] ラジオリシス

2017年3月28日(火) 10:35 〜 11:55 I会場 (16号館 16-304教室)

座長:塚田 隆 (JAEA)

10:50 〜 11:05

[2I06] Hi-FコートによるBWR環境における炭素鋼へのコバルト付着の抑制

*稲垣 博光1、細川 秀幸2、太田 信之3、露木 瑞穂3 (1. 中部電力、2. 日立製作所、3. 日立GEニュークリア・エナジー)

キーワード:Hi-Fコート、炭素鋼、放射能蓄積挙動、被ばく低減、酸化被膜

配管への放射能蓄積抑制策として開発されたHi-Fコートは、ラボ試験および実機において、ステンレスへの放射能付着を抑制する効果が確認されている。更なる被ばく低減を目指すには、ステンレス製の再循環系配管に次ぐ被ばく線源である炭素鋼製の冷却材浄化系配管への放射能蓄積挙動を把握しておくことが有用と考えられる。そこで、BWR環境を模擬した環境下において、炭素鋼にHi-Fコートを施工した試験片を用いて、放射能蓄積試験を実施した。試験においては、Hi-Fコート施工の有無に加え、放射能蓄積挙動への影響が大きい水中のニッケル濃度と効果持続性の観点から試験時間をパラメータとした。その結果、Hi-Fコートの炭素鋼への放射能蓄積抑制効果は、水中のニッケル濃度が低いほど高く、ニッケル濃度が高くなると逆効果になること、放射能蓄積抑制効果は時間とともに低下するものの、ある程度の効果は継続して期待できることが分かった。