[3D10-13] 遮蔽材料

[3D12] シルクガラス技術による軽くて機能性に富んだ放射線遮蔽布の開発

(1)新遮蔽材料開発と応用

*岩宮 陽子¹、原田 幸明²、川合 將義³ (1. 超越ガラス化研、2. サステナビリティ技術設計機構、3. 高エネルギー加速器研究機構)

キーワード：放射線遮蔽、超越ガラス、タングステン、布、ガンマ線、ゾル-ゲル法、放射線遮蔽服、縮緬加工

東日本大震災後、被災地域住民のために日本古来の文化素材・水引改質で培った和紙とガラスを融合したシルクガラス技術を利用した放射線防護服の開発を思い立った。この技術はゾルゲル法に基づくガラス質の反応技術であり、用途に合わせて組み合わせた有機材と無機材の双方への結合性が優れている。今回、放射線遮蔽力の強いタングステン粉体を含む超越ガラス液剤を布地に塗り加熱処理して繊維に結合させることで安定した遮蔽布ができる。柔らかな遮蔽布を更に縮緬加工することで柔軟性に優れて、遮蔽特性を向上させた。その遮蔽特性は鉛相当である。縮緬加工した遮蔽布を３枚重ねて期待していた従来品に比べて半分の軽さで動き易い防護服ができた。