2017年春の年会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学 » 202-1 放射線挙動,遮蔽工学

[3D10-13] 遮蔽材料

2017年3月29日(水) 14:45 〜 15:50 D会場 (16号館 16-204教室)

座長:谷口 雅弘 (大成建設)

15:30 〜 15:45

[3D13] シルクガラス技術による軽くて機能性に富んだ放射線遮蔽布の開発

(2)新遮蔽材の遮蔽特性の測定

*川合 將義1,2、岩宮 陽子1、原田 幸明3 (1. 超越ガラス化研(株)、2. 高エネルギー加速器研究機構、3. サステナビリティ技術設計機構)

キーワード:放射線遮蔽、超越ガラス、タングステン、布、ガンマ線、セシウム137、X線、散乱場、一桁減衰厚

タングステン粉体分散混合の超越ガラス液剤を塗布し、加工して開発した新遮蔽布の遮蔽性能を測定した。X線の一桁減衰厚みについての重量を比べると鉛とほぼ同等の値が得られた。また、セシウム137を用いて、フラット材料と縮緬加工した布地の遮蔽率を測定した結果、フラット材料の2倍以上の値が得られた。等重量当たりの遮蔽率で見た場合、縮緬加工がフラット材の50%以上、また、鉛と同等かそれ以上で、縮緬構造が遮蔽性能の向上に役立っていることが分かった。これは、縮緬布における放射線の透過距離がフラット材より長く、減衰が大きいためと考えられる。さらに、この布地を使って、半袖半ズボンのツナギの放射線防護服を作った。その重量は、10.5kgと従来品に比べて軽く、着脱が容易である。コバルト60を線源とし、直接線の来ない散乱場で防護服の遮蔽性能を測定した結果、40%以上の遮蔽率を得た。