2017年春の年会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学 » 201-1 原子核物理,核データ測定・評価・検証,核反応工学

[3E09-14] 荷電粒子反応

2017年3月29日(水) 14:45 〜 16:20 E会場 (16号館 16-205教室)

座長:国枝 賢 (JAEA)

15:00 〜 15:15

[3E10] 重陽子入射によるパラジウム標的での103Ag生成放射化断面積の測定

右近 直之1、*合川 正幸1、小森 有希子2、羽場 宏光2 (1. 北海道大学、2. 理化学研究所)

キーワード:医療用放射性同位体、放射化断面積

103Pd(T1/2 = 16.991 d)は医療用放射性同位体の一つであり、小線源治療で利用されている。この同位体を効率的に生成するためには、様々な反応過程を調べ、比較検討する必要がある。その反応過程には、103Pdへの崩壊を前提に、親核である103Ag(T1/2 = 65.7 min)を生成する反応も含まれる。103Agの生成反応の一つに、パラジウムへの重陽子入射反応があるが、先行研究では20.3MeV以下の断面積データのみが存在する。そこで、理化学研究所AVFサイクロトロンを使用し、24MeVの重陽子をパラジウム箔とモニター用チタン箔を重ねた標的に照射し、放射化法を用いて断面積を測定した。20分間の照射後、HPGe検出器でγ線を測定し、断面積を導出した。その結果、20.3MeVまである先行研究のデータと良く一致し、より高いエネルギーのデータも得ることができた。