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[3E10] 重陽子入射によるパラジウム標的での103Ag生成放射化断面積の測定
キーワード:医療用放射性同位体、放射化断面積
103Pd(T1/2 = 16.991 d)は医療用放射性同位体の一つであり、小線源治療で利用されている。この同位体を効率的に生成するためには、様々な反応過程を調べ、比較検討する必要がある。その反応過程には、103Pdへの崩壊を前提に、親核である103Ag(T1/2 = 65.7 min)を生成する反応も含まれる。103Agの生成反応の一つに、パラジウムへの重陽子入射反応があるが、先行研究では20.3MeV以下の断面積データのみが存在する。そこで、理化学研究所AVFサイクロトロンを使用し、24MeVの重陽子をパラジウム箔とモニター用チタン箔を重ねた標的に照射し、放射化法を用いて断面積を測定した。20分間の照射後、HPGe検出器でγ線を測定し、断面積を導出した。その結果、20.3MeVまである先行研究のデータと良く一致し、より高いエネルギーのデータも得ることができた。