2019年春の年会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 502-1 原子炉材料,環境劣化,照射効果,評価・分析技術

[1M08-13] 照射効果

2019年3月20日(水) 14:45 〜 16:20 M会場 (共通教育棟2号館 3F 37番)

座長:藤井 克彦(INSS)

15:45 〜 16:00

[1M12] フィルタベント金属フィルターにおける放射性セシウム吸着とその放射線影響

*仲田 萌子1、戸苅 陽大1、波多野 雄治2、大矢 恭久1 (1. 静大院、2. 富山大水素研)

キーワード:フィルタベント、ステンレス、放射性セシウム

福島第一原子力発電所事故以降、フィルター付き格納容器圧力逃がし装置(フィルタベント)が日本の原子炉に設置されている。原子力発電所事故発生時には炉心の回復が最優先であり、フィルタベントに捕集された放射性物質は装置中に長期間保存される。その結果、吸着した放射性物質は高線量の環境に長時間晒され、フィルタベント構造材との間に放射線誘起効果をもたらす。本研究では種々の条件下で、水酸化ナトリウム(NaOH)で塩基性にした塩化セシウム(CsCl)溶液にSUS316Lを浸漬した後窒素ガスフローを行い、ゲルマニウム半導体検出器を用いて放射性Csの除去量を評価した。その結果、フィルタベント使用時においてガンマ線照射に晒されることにより、金属フィルターにおける放射性Cs捕捉能力が低下するとともに、Csの脱離が容易になることが示唆された。さらにX線光電子分光分析法を用いて表面化学状態を分析した他、Csの吸収に対するpHおよび温度依存性を評価した。