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[1O14] ITER-gradeタングステン圧延材における疲労予き裂導入と破壊靭性評価
キーワード:タングステン、破壊靭性、疲労予き裂、圧縮疲労予き裂、引張疲労き裂伸延
ITERや原型炉のダイバータ板の表面材料としてタングステン(W)が使用される計画である。しかし、Wは低温脆化、照射脆化、再結晶脆化の問題があるため、Wの使用に際しては破壊靭性の評価が必要である。Wは延性に乏しいため、引張疲労のみでは切欠き付き試験片への予き裂導入は困難である。そこで我々は、圧縮疲労と3点曲げ(3PB)疲労の2段階の疲労負荷方式により切欠き底から必要な長さの予き裂を導入する方法を開発し、すでに報告した。本研究では、ITER grade Wの圧延板材から作製した3PB破壊靭性試験片について信頼できる破壊靭性値を評価するために、圧縮疲労で形成された予き裂(残留応力場を伴う)の先端を、3PB疲労により残留応力場から十分離れた位置まで伸延させた。また、き裂進展方向が圧延方向に平行および垂直な方位の2種類の3PB試験片を用意し、それぞれ残留応力場の影響を受けない疲労予き裂を導入して破壊靭性値の方位依存性を評価した。