2019年春の年会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 504-2 核化学,放射化学,分析化学,アクチノイドの化学

[2D12-17] 錯体化学

2019年3月21日(木) 16:05 〜 17:45 D会場 (共通教育棟2号館 1F 12番)

座長:浅沼 徳子(東海大)

16:05 〜 16:20

[2D12] 溶媒抽出において有機相中でつくられる溶液構造と第三相生成メカニズムの解明

*元川 竜平1、小林 徹1、遠藤 仁1,2 (1. 日本原子力研究開発機構、2. 高エネルギー加速器研究機構)

キーワード:第三相、溶媒抽出

リン酸トリブチル(TBP)とオクタンからなる有機相中に硝酸ジルコニウムを液ー液抽出したときにつくられる溶液構造を中性子小角散乱法とEXAFS法を用いて観察した。その結果、抽出されるZr(NO3)4(TBP)2は水、硝酸、TBPを巻き込んだ水素結合を介してサイズの揃ったprimary clusterを形成することを明らかにした。このPrimary clusterはクーロン相互作用によってさらに凝集することでsuper-clusterを形成する。第三相はこのような階層的凝集構造が成長することで引き起こされると考えられる。また分子動力学シミュレーションによってもprimary clusterの生成は再現され、水素結合がその安定性にどのように寄与するかを考察した。