2019年春の年会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学および医学利用 » 202-2 放射線物理,放射線計測

[2F18-21] 半導体検出器

2019年3月21日(木) 16:55 〜 18:00 F会場 (共通教育棟2号館 2F 23番)

座長:島添 健次(東大)

17:10 〜 17:25

[2F19] TlBr単結晶の大型・高品質化に向けた原料精製プロセスの改良

*山石 直也1、金子 純一1、中村 憲法1、長谷川 達也1、樋口 幹雄1、人見 啓太朗2、長野 宣道2、野上 光博2 (1. 北海道大学工学院、2. 東北大学工学研究科)

キーワード:臭化タリウム(TlBr)、半導体検出器、γ線検出器、精製、単結晶育成

TlBrは高密度・高原子番号を持つ優れた常温動作γ線検出器材料として、環境測定やPET等医療診断装置への応用が期待されている。TlBr検出器の開発は東北大の人見が開発を牽引してきたが、現状5mm角結晶で電荷収集効率80%台後半であること、100~200g/バッチの精製に数か月要する等の課題が残っている。我々は、5mm角以上で安定動作するTlBr検出器の実現と将来的な商用化を見据え、相対的に安価な4N純度の原材料をkg/バッチ以上で精製、検出器化する技術の確立を目指している。本発表では精製炉・単結晶育成炉を設計・試作し、材料精製から検出器化に至るプロセスを遂行し各段階で得た試料について各種評価を行い、検出器としての動作確認を行った。結果として厚さ1.6㎜検出器は電荷収集効率が30%台後半にとどまっており、精製の不足が明らかとなった。さらに精製法に関する改善に関しても報告する。