2019年春の年会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学および医学利用 » 203-5 医療用原子炉・加速器

[2G01-04] 加速器BNCT

2019年3月21日(木) 09:45 〜 10:50 G会場 (共通教育棟2号館 2F 26番)

座長:林崎 規託(東工大)

09:45 〜 10:00

[2G01] 筑波大学のリニアックベースBNCT装置:iBNCTの中性子ビームの特性測定

*熊田 博明1、高田 健太2、田中 進1、内藤 富士雄3、栗原 俊一3、松村 明1、櫻井 英幸1、榮 武二1 (1. 筑波大学、2. 群馬県立健康科学大学、3. 高エネルギー加速器研究機構)

キーワード:ホウ素中性子捕捉療法、加速器ベース中性子源、リニアック、ファントム、ベリリウム標的

波大学を中心に開発しているリニアックベースのBNCT用治療装置:iBNCTが発生する中性子ビームの物理特性を把握するため、種々の実験、評価を実施した。
ビーム孔に水ファントムを設置し、ファントム内に金線を配置してファントム内の熱中性子束分布を測定した。平均電流1mAでの最大熱中性子束は、表面から深さ2㎝位置で約8.0×108 (n/cm2/s)であった。この結果を基に悪性黒色腫に対する治療プロトコルを適用して評価した結果、照射時間は約45分と1時間以内で治療を完了できることを確認した。また、2016年1月から2018年7月までにベリリウム標的に入射した陽子の総電荷量は約2000クーロンであり、これは患者500人治療分に相当する。この間に実施したファントム実験で得られた熱中性子束値の比較した結果、発生した中性子の強度低下は生じておらず、ベリリウム標的が安定して中性子を発生できていることを確認した。これらの結果から、iBNCTはBNCTの治療に適用可能であることを確認した。