2020年春の年会

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VII. 保健物理と環境科学 » VII. 保健物理と環境科学

[1F01-05] 医学・生物学応用1

2020年3月16日(月) 10:30 〜 11:55 F会場 (共通講義棟 M棟1F M-2)

座長:真辺 健太郎(JAEA)

10:45 〜 11:00

[1F02] RI標識および蛍光標識グルコース類プローブの癌細胞取込みの比較に関する研究

*小林 茉莉子1、久代 京一郎1、島添 健次1、杉山 暁1、高橋 浩之1 (1. 東大)

キーワード:バイオイメージング 、癌、PET、18F-FDG、グルコース

本研究では癌診断などに利用されるグルコース類プローブを用いたバイオイメージングに焦点を当てた。グルコース類プローブにはRIおよび蛍光標識のものがあるが、標識分子の分子量や構造、特性の違いによって細胞との相互作用が異なると示唆される。これらの挙動を系統的に調べ、違いを明らかにするため、正常細胞と癌細胞間、また異なる癌細胞間で、RI標識プローブのフルオロデオキシグルコース(18F-FDG)と蛍光標識プローブの2-デオキシニトロベンゾオキサジアゾールイルアミノグルコース(2-NBDG)および2-デオキシグルコース(2-DG-750)の取込みを定量的に分析した。RI標識プローブは蛍光標識プローブよりも多く細胞内まで取り込まれた。正常細胞よりも糖代謝が活発な癌細胞において、また癌細胞の中でも糖代謝と関連が深い組織の細胞において、両プローブの取込みの差が顕著であった。このことから、RI標識プローブはよりグルコースのイメージングに適していると考えられる。一方、蛍光標識プローブは大きな分子量や非特異的疎水性作用の影響により、細胞内まで取り込まれず細胞膜表面で相互作用すると示唆された。