2020年春の年会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 305-1 計算科学技術

[1H05-08] 流体・事故解析1

2020年3月16日(月) 14:45 〜 15:55 H会場 (共通講義棟 M棟2F M-22)

座長:山田 進(JAEA)

14:45 〜 15:00

[1H05] 改良型格子ボルツマン法による密度比が大きい場合の気液二相流シミュレーション

*佐藤 兼太1、酒井 幹夫1 (1. 東大)

キーワード:格子ボルツマン法、気液二相流、上昇気泡流れ

密度比が大きい場合の気液二相流れは,沸騰水型原子炉の炉心において現われる流動現象であり,炉心に発生した気泡の成長過程を数値シミュレーションにより解析・予測することは,原子炉の設計や安全な運転において必要とされる技術である.近年,完全陽解法であり並列化効率の高い二相流れシミュレーション手法として,格子ボルツマン法が注目されている.しかし,従来の格子ボルツマン法は,密度比が1000程度となる気液二相流れシミュレーションでは計算が不安定となりやすいことが知られている.そこで,本研究ではフェーズフィールド法と,密度比が1000程度の気液二相流れにおいても安定した計算が可能な改良型格子ボルツマン法を連成したモデルを開発し,これまで陽解法では実行困難であった密度比1000の上昇気泡流れのシミュレーションを,安定して実行できることを示す.加えて,気泡の変形および気泡両端の渦の再現について妥当な結果が得られることを示す.