2020年春の年会

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VI. 核融合工学 » 601-2 核融合炉材料工学(炉材料,ブランケット,照射挙動)

[1L01-05] 核融合炉構造材料

2020年3月16日(月) 10:30 〜 11:55 L会場 (共通講義棟 S棟2F S-22)

座長:笠田 竜太(東北大)

10:30 〜 10:45

[1L01] 不純物窒素を吸収した低放射化バナジウム合金の引張特性に及ぼすチタン濃度の効果

*齋藤 千貴1、小林 真1,2、申 晶潔2、山崎 樂1、長坂 琢也1,2、Valentyn Tsisar3、室賀 健夫1,2 (1. 総研大、2. 核融合研、3. ベルギー原子力エネ研)

キーワード:核融合炉構造材料、バナジウム合金、スカベンジング効果、機械特性

V-4Cr-4Tiのような低放射化バナジウム合金は核融合炉における液体リチウム増殖ブランケット構造材料の候補である。液体リチウム中ではリチウムから合金への窒素不純物の輸送が起こり、固溶硬化に伴う脆化が懸念されている。合金元素チタンは窒素と反応して析出し固溶硬化と脆化を抑制するが、放射化の観点からは添加量を最低限にする必要がある。そこで本研究では、チタンによる不純物窒素のスカベンジング効果を定量的に評価し、添加量を最小限化するため、窒素の拡散・チタンとの析出挙動と機械特性の相関、さらにそのメカニズムの解明を目的とする。液体リチウムからの窒素の侵入を模擬するために650℃、25時間、0.066atmの条件で窒素ガス曝露実験を行った。引張試験の結果、チタン濃度3mass%以上では窒素ガス曝露後にも降伏挙動及び塑性伸びがみられた。また、すべての試料で延性・脆性混成破面が確認され、チタン濃度の増加に伴い脆性破面の割合は減少した。