2020年春の年会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学および医学利用 » 201-1 原子核物理,核データ測定・評価・検証,核反応工学

[1O09-13] 中性子入射反応実験

2020年3月16日(月) 15:35 〜 16:55 O会場 (共通講義棟 S棟3F S-34)

座長:明午 伸一郎(JAEA)

16:35 〜 16:50

[1O13] 可搬型HP-Ge検出器を用いた238U中性子捕獲γ線の測定

*名内 泰志1、堀 順一2、佐野 忠史3 (1. 電中研、2. 京大複合研、3. 近大)

キーワード:ウラン-238、放射捕獲、γ線スペクトル、ライナック中性子源、飛行時間法

京大複合研のLINACパルス中性子源施設で238Uの中性子捕獲γ線測定を行った。板状の天然ウラン試料を白色中性子で照射して、捕獲反応と、部分的に核分裂反応をおこし、γ線をを相対効率35%のHP-Ge検出器で測定した。中性子発生からγ線検出までの時間情報を使って、中性子エネルギーを熱中性子から100eV程度の共鳴反応まで同定した。既報にて4ΠHP-Geを使った測定があるが、それと比べて、3982 keVと 3991 keV のγ線を分解することに成功した。またこのγ線の発生比率が共鳴エネルギー6.67eVと20.87eVで異なることも確認した。こうした中性子エネルギー依存のγ線発生比率の違いは、中性子照射γ線スペクトル測定で原子炉中の共鳴反応と熱中性子捕獲反応の測定評価に利用できる可能性がある。