2020年春の年会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 502-1 原子炉材料,環境劣化,照射効果,評価・分析技術

[2M04-07] ジルコニウム

2020年3月17日(火) 10:50 〜 12:00 M会場 (共通講義棟 S棟3F S-31)

座長:渡辺 英雄(九大)

11:05 〜 11:20

[2M05] ジルコニウム合金酸化膜中の酸素と水素の拡散

*阪本 巧人1、山口 佳奈1、高木 郁二1、高橋 克仁2、坂本 寛2 (1. 京大、2. NFD)

キーワード:ジルカロイ、水素脆化、拡散、核反応法、酸化膜

ジルカロイ2の酸化膜内における酸素と水素の拡散挙動を調べるため、金属試料片をO-18水と重水の混合水蒸気中でオートクレーブ処理し、表面に酸化膜を形成させた。この試料におけるO-18とH-2(D)の深さ方向分布を、それぞれ18O(p,α)15Nと D(3He, p)4Heの核反応を用いて測定した。拡散方程式を用いてこの分布を解析し、拡散係数を求めた。その結果、酸素の拡散には2つの経路があり、拡散係数は速い経路で3.0×10-13 cm2/s、遅い経路で4.3×10-15 cm2/sであることが分かった。一方、水素の拡散は領域によって異なり、表面から約0.5µmまでは拡散が速く、それより深い領域では拡散が遅かった。浅い領域での拡散係数は5.3×10-13 cm2/sであり、酸素の速い経路の拡散と近い値であった。以上より、酸素と水素の拡散は、何らかの相関があることが示唆された。