2020年春の年会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 303-1 原子炉計測,計装システム,原子力制御システム/303-3 ヒューマンマシンシステム,高度情報処理

[3H08-11] 安全・情報通信技術

2020年3月18日(水) 14:45 〜 15:50 H会場 (共通講義棟 M棟2F M-22)

座長:佐相 邦英(電中研)

15:30 〜 15:45

[3H11] 現場組織の緊急時対応力向上を目指した福島第一原子力発電所事故分析

(6)緊急時対応力向上の教育・訓練が平常時の安全性向上に及ぼす効果の検討

*大場 恭子1、吉澤 厚文2、北村 正晴3 (1. JAEA、2. 長岡技科大、3. テムス研究所)

キーワード:緊急時対応力、行動設計能力、教育・訓練、平常時業務、レジリエンスエンジニアリング

東京電力福島第一原子力発電所の事故対応は,マニュアルが存在しない,あるいは,マニュアルを遵守することが必ずしも適切ではない状況での対処が求められた。現在は,その経験を踏まえ,ハードおよびソフトの両面において,さまざまな安全向上の取り組みが実施されている。しかし,原子力発電所の運転業務の基本は,マニュアルに基づいた行動が求められる平常時である。そのため,所員にとって,緊急時対応力向上のために行われている教育・訓練によって,平常時の安全性向上も感じられることが望ましい。
このような中,本研究は,「マニュアルが存在しない,あるいは,マニュアルを遵守することが必ずしも適切ではない状況」における「自らの行動を設計できる能力」に注目するとともに,それらが平常時の安全性向上にどのように影響する,あるいは影響する可能性があるのかを検討した。具体的には,まず,原子力発電所および他産業組織で行われている教育・訓練について調査し,レジリエンスエンジニアリングの4能力および背後要因に基づいて分析するとともに,それらの平常時の安全性向上に及ぼす効果について,検討した。