2021年春の年会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 301-1 炉物理,核データの利用,臨界安全

[2B01-05] 臨界安全(燃料デブリ)

2021年3月18日(木) 09:30 〜 11:00 B会場 (Zoomルーム2)

座長:藤田 達也 (規制庁)

10:00 〜 10:15

[2B03] デルタ追跡法モンテカルロ中性子輸送計算におけるボクセル利用

*植木 太郎1 (1. JAEA)

キーワード:デルタ追跡法、モンテカルロ、ボクセル、インデックス検索、燃料デブリ

ボクセルによるモデル化は、モンテカルロ法による粒子輸送計算において、医学物理・コンピュータグラフィックス分野への応用に利用されている。本発表においては、ボクセル重ね合わせモデルを利用する連続エネルギーモンテカルロ中性子輸送計算が、インデックス検索を伴うデルタ追跡法の下で、計算時間に関してスケール不変性を持つことを示す。具体的には、104~1011に亘るボクセル要素数の変化に対して、臨界計算に要する時間がほぼ一定であることを示す。この不変性は、デルタ追跡法により、中性子がボクセル要素境界を横断することのチェックが不要になったこと、及びインデックス検索コストが連続エネルギー断面積処理に比べて無視できることに起因する。適用事例として、ボクセル要素による燃料デブリ中へのランダムなSUS304の導入が、実効増倍率に及ぼす影響を紹介する。特に、SUS304が含有する鉄同位体の自己遮蔽効果のため、ボクセル要素サイズが1cm3以上になると、2%程度以上の実効増倍率上昇が生じるという、臨界管理上有用な解析結果を報告する。