2021年春の年会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 301-1 炉物理,核データの利用,臨界安全

[3B01-04] 燃焼計算(BWR)

2021年3月19日(金) 09:30 〜 10:45 B会場 (Zoomルーム2)

座長:遠藤 知弘 (名大)

09:30 〜 09:45

[3B01] 東京電力福島第一原子力発電所の全炉心3次元核種インベントリ計算

(1)背景と目的

*奥村 啓介1、坂本 雅洋1、多田 健一1、西原 健司1、溝上 伸也2、溝上 暢人2、三木 陽介3、金子 誠司3 (1. JAEA、2. 東電HD、3. テプシス)

キーワード:福島第一原子力発電所、3次元核種インベントリ計算、燃料デブリ、燃焼計算、放射化計算

軽水炉では、炉内や取り出し燃料集合体の詳細な核種インベントリが必要な場合には、ORIGENコード等を用いた燃焼計算が行われてきた。しかし、この種のコードでは、中性子スペクトルや燃焼度が大きく異なる領域が含まれていても、領域平均的な扱いがなされてきた。この扱いは、核種生成量が燃焼度に対して直線的に変化する核種については精度良く評価できるが、その他の核種については、系統的な誤差を発生させる。また、Gd入り燃料を適切に扱うことができない。そこで、炉内の全燃料を3次元ノードに分割し、Gdの効果も考慮して、領域毎の詳細な核種インベントリを計算する手法を開発した。本手法を、福島第一原子力発電所の各号機に適用し、事故直前における核種インベントリのデータを取得している。得られたデータは、今後の事故進展解析の高度化、燃料デブリの臨界性評価、分析値の評価、非破壊測定技術の開発、放射性廃棄物評価などへの利用が期待される。