2021年春の年会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 505-2 放射性廃棄物処分と環境

[3J08-10] 天然バリア

2021年3月19日(金) 14:45 〜 15:35 J会場 (Zoomルーム10)

座長:小林 大志 (京大)

15:00 〜 15:15

[3J09] 処分場閉鎖前の乾燥過程を考慮した多孔質体における物質移動と透水性の変化に関するいくつかの実験的な試み

*林 光一1、新堀 雄一1、千田 太詩1 (1. 東北大学)

キーワード:地層処分、多孔質体、乾燥、透水性、X線CT

地層処分では閉鎖前の少なくとも50年間において処分場内の坑道は通気されており、坑道周囲の不飽和層から坑道に向かって乾燥過程が生じる。一般に、多孔質体における乾燥過程において、水の蒸発や毛管力によって溶媒と共に溶質が表面へと集積する現象が確認されている。これを地層処分の周辺環境に適用すると、コンクリート由来の高アルカリ環境下となっている処分場周辺の不飽和層ではケイ素が溶出し、乾燥に伴い坑道周辺へと移動した後再び析出することになる。本研究では、高塩濃度の溶液で湿潤したケイ砂充填層を乾燥させ、X線CT値に基づく解析および透水性の変化を追跡し、溶質の析出(乾燥面近傍への物質集積)に起因した透水性の減少を実験的に明らかにした。なお、本発表では、先行研究の充填層の自然乾燥を行った場合と対比し、本研究の減圧乾燥の結果を示す。