2021年春の年会

講演情報

一般セッション

VI. 核融合工学 » 601-2 核融合炉材料工学(炉材料,ブランケット,照射挙動)

[3L05-09] 材料の化学的共存性2

2021年3月19日(金) 10:35 〜 12:00 L会場 (Zoomルーム12)

座長:大野 直子 (北大)

10:50 〜 11:05

[3L06] 核融合炉の固体増殖ブランケットにおけるフレッチングコロージョンに関する基礎的研究

*高橋 尚希1、金 宰煥2、中道 勝2、近藤 正聡1 (1. 東工大、2. QST)

キーワード:フレッチングコロージョン、固体増殖ブランケット、F82H、リチウムタイタネート、DEMO

核融合 DEMO 炉の燃料増殖ブランケットには,トリチウム増殖材であるLi2TiO3 がF82Hを構造材料とするブランケット筐体中に微小球の形で充填される.ブランケット内において冷却配管が振動する事により,微小球と配管壁の間にフレッチングコロージョンが発生する恐れがある.本研究では Li2TiO­3やF82H 鋼を含む様々な材料を対象としたフレッチングコロージョン試験を実施し,その挙動を機構論的に調べた.常温の大気環境下において, 微小球を平板試験片の上に4.9Nの荷重をかけながら点接触するように設置し,平板試験片を振幅 120μm,振動数50Hzの条件で振動させた.試験後,微小球および平板試験片上の損傷や酸化,摩耗の観察・分析を電子顕微鏡により実施し,レーザー顕微鏡により平板試験片の表面の輪郭曲線の評価を行った.振動するF82H鋼をLi2TiO3微小球に300分間接触させた試験では, 鋼材表面に深さ数十μmに及ぶ擦過痕が観察された他,微小球が大きく摩耗する事が明らかになった.