2022年春の年会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 303-1 原子炉計測,計装システム,原子力制御システム

[1H01-02] 計測システム

2022年3月16日(水) 10:40 〜 11:20 H会場

座長:高橋 信 (東北大)

10:40 〜 10:55

[1H01] 耐放射線性3 MGyを備えたボルテージレギュレータの開発

*野本 真司1、増永 昌弘1、桑名 諒1、上野 克宜2、平野 克彦2 (1. 日立、2. 日立GE)

キーワード:耐放射線、ボルテージレギュレータ、電源、γ線、炭化ケイ素

大電流が求められる原子力発電所の計測器に向け、累積線量3 MGyで動作可能な1.2 Wボルテージレギュレータ(VR)を開発した。開発したVRは耐放射線性に優れたSiC製オペアンプを採用すると共に、大電流化を達成するため、オペアンプの出力をディスクリートのSi製バイポーラトランジスタ(BJT)を用いて増幅した。BJT単体をガンマ線照射したところ、電流増幅率(hFE)は初期値より50%以上低下することが明らかとなった。劣化するhFEを補償するためには、BJTに流れるベース電流を2.6倍増大する必要があり、BJTから構成されるダーリントン接続を工夫することで対策した。試作したVRは累積線量3 MGyにおいて誤差1.4%未満で動作すると共に、ガンマ線照射前後における負荷応答性に変化が見られないことから、過酷な放射線環境下でも安定した電力供給が可能なことを実証した。