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[1I07] FPの有効利用に関する研究
(2)第一原理計算による白金族合金の安定性・機能の評価
キーワード:白金族合金、核分裂生成物、直接利用
FPの有効利用という研究は過去の事例にもあるが、いずれも非放射性物質としての利用を前提としているため実現に至っていない。そこで、FPの直接利用に重点を置き、再処理後不溶解残渣として比較的容易に抽出が可能である白金族合金(Mo、Ru、Rh、Pd及びTcで構成される)に着目した。そのうち、Ru、Rh及びPdという元素は酸素と水素の再結合反応のための触媒や、水素吸蔵合金として利用されている。一方で、福島第一原子力発電所の燃料デブリは、再臨界や放射性物質の飛散等から危険性を持つため、取り出し収納容器に密封する必要があるとされる。一方で内在する水分の放射線分解によって水素が発生するため、これを低減する対策が必要である。一つの方法として白金族合金を水素吸蔵・触媒材料として直接利用することがあげられる。 本研究では、白金族合金の水素吸蔵・触媒材料としての機能を調べることを目的とし、模擬体の作製を行い、詳しく冶金学的な観察を行った。また、より詳しい白金族合金の知見を得るための、第一原理計算を用いて結晶構造変化による水素吸蔵・触媒機能の影響の評価を行った。