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[1I13] 樹脂を含有した実験済核燃料物質の酸化熱処理による安定化
キーワード:安定化処理、実験済核燃料物質、窒化物燃料、炭化物燃料、エポキシ樹脂、フェノール樹脂(ベークライト)
2017年に発生した日本原子力研究開発機構大洗研究所の燃料研究棟における汚染事故は、核燃料物質と混在したエポキシ樹脂等がプルトニウムからの放射線で分解して水素等のガスが発生し、貯蔵容器内の圧力が上昇したことが原因であった。同様の事故を防ぐため、樹脂を含有した実験済核燃料物質は樹脂を分離して安定化してから貯蔵する必要がある。そのため本研究では、窒化物燃料や炭化物燃料に関する基礎試験で使用した実験済試料のうち粉末状の核燃料物質をエポキシ樹脂と混合して固化した試料及び塊状の核燃料物質をフェノール樹脂(ベークライト)で固定した試料について、酸化熱処理による安定化を実施した。空気気流中において650℃以上で加熱した結果、どちらの試料も樹脂は気体状に熱分解して除去され、核燃料物質は酸化物の粉末として回収された。この結果から、本手法が樹脂を含有した試料の安定化処理の方法として有効であることが分かった。