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[1J06] 高温純水系でのニッケル基合金182の腐食電位計算モデル
キーワード:腐食電位、ニッケル基合金、沸騰水型原子炉、分極曲線、応力腐食割れ
沸騰水型原子炉環境(高温純水)中でのニッケル基合金溶接金属182(182合金)の腐食電位を解析モデルで計算することは応力腐食割れの管理上重要である。しかし、高温純水中の182合金上で生じる電気化学反応とその電気化学パラメーターはこれまで確立していなかった。そこで本研究では、実測した182合金のアノード分極曲線と182合金上での酸素のカソード分極曲線を用いて腐食電位を計算することを試みた。182合金の酸素のカソード反応は、2021年3月に報告した316Lステンレス鋼上の酸素のカソード反応と同様に、酸素と水の2つの反応が重畳しているとして扱った。検討したモデルで182合金の腐食電位の酸素濃度依存性を計算したところ、広い酸素濃度範囲において実測データを再現できた。本研究により、高温純水中での182合金の腐食電位計算に必要な電気化学反応とその電気化学パラメーターを決定した。