2022年春の年会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 505-2 放射性廃棄物処分と環境

[2H01-06] 核種移行・収着1

2022年3月17日(木) 10:15 〜 12:00 H会場

座長:藤原 健壮 (JAEA)

10:30 〜 10:45

[2H02] ケイ酸カルシウム水和物に吸着したセシウムの構造とサイト選択性の解明

*樋口 敬太1、大窪 貴洋1、根岸 久美2、柴田 真仁2、舘 幸男3 (1. 千葉大、2. 太平洋コンサルタント、3. JAEA)

キーワード:ケイ酸カルシウム水和物、Cs吸着、核磁気共鳴

コンクリートの主要な硬化成分であるケイ酸カルシウム水和物(C-S-H)へのCs吸着機構を解明するため、Ca/Siの異なるC-S-Hに対しCsI水溶液を用いた収着試験を行い、Csの吸着構造を133Cs固体NMRにより解析した。結果、Ca/Siの低い試料ではピークAのみが観測され、Ca/Si比の高い試料ではピークAに加え低磁場側にピークBが観測された。CsはCaとの交換により吸着すると考え、ピークAを層間のシラノール基(サイトA)に吸着したCs、ピークBをシリケート鎖の架橋Siが欠落した部位のCa(サイトB)と交換したCsに帰属した。また、異なるCs濃度で収着試験を行った結果、低いCs濃度ではピークAのみが観測され、Cs濃度が高くなるにつれピークBが観測された。これら結果より、Cs吸着の選択性として、サイトAへの吸着が優先的に起こり、サイトAへの吸着が飽和することでサイトBへ吸着すると考えた。