2022年春の年会

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一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 505-2 放射性廃棄物処分と環境

[2H01-06] 核種移行・収着1

2022年3月17日(木) 10:15 〜 12:00 H会場

座長:藤原 健壮 (JAEA)

11:00 〜 11:15

[2H04] 塩水環境における過飽和ケイ酸の析出に及ぼすMgおよびCaイオンの影響

*白沢 暢1、泉浦 匡秀1、千田 太詩1、関 亜美1、新堀 雄一1 (1. 東北大)

キーワード:地層処分、過飽和ケイ酸、核種移行、共存イオン、海水系地下水

地層処分場の建設に用いられるセメント系材料からの成分溶出に伴い、処分場周辺の地下水は高アルカリ化し、岩盤内鉱物の主成分であるケイ酸が溶出する。一方、地下水の分散や希釈により元のpHに戻る下流域では、ケイ酸が過飽和となり岩盤へ析出するため、地下水流路の狭隘化に伴う核種移行抑制効果が期待できる。海水等に起因する地下水中のNaイオンは、比較的高濃度で溶存するため、過飽和ケイ酸の析出に及ぼす影響を考慮する必要がある。本研究では前報に続き過飽和ケイ酸の析出に及ぼすCaおよびMgイオンの効果について検討した。その結果、Naイオン濃度(~600 mM)が高いほど析出速度は大きくなる傾向が見られた。一方で、見かけの析出速度定数は、CaおよびMgイオン濃度0~14 mMの範囲において、CaおよびMgイオンの濃度変化によらず4.0×10-10 m/s程度となり、高濃度で共存するNaイオンがCaやMgイオンよりも析出に及ぼす効果が大きいことが示唆された。