[2H01-06] 核種移行・収着1

[2H05] 処分環境温度におけるカルシウムシリケート水和物へのホウ酸共存下でのユウロピウム収着挙動

*業天 智貴¹、関 亜美¹、千田 太詩¹、新堀 雄一¹ (1. 東北大学)

キーワード：カルシウムシリケート水和物、ホウ酸、温度、ユウロピウム、相互作用

福島第一原子力発電所から発生する放射性廃棄物には、ホウ酸塩や長半減期核種が付着していると想定される。それらの処理および処分にセメント固化が一つのオプションとして考えられるが、一般にホウ酸はセメントの凝結を阻害する。地中の温度は深度により変化することから、これらを関連付けた基礎的知見を整理する必要がある。そこで本研究では、ホウ素共存下においてカルシウムシリケート水和物(C-S-H)とユウロピウム(Eu)の相互作用への温度変化による影響を実験的に調べた。その結果、固相試料ラマン分光分析から、温度の上昇に伴いC-S-Hのシリカ四面体の重合が促進される傾向が得られた。また、蛍光スペクトルおよびその減衰挙動は、C-S-HとEuの相互作用が温度に関わらずホウ素共存下においても生じることを示した。こられの結果は、本研究の範囲ではEuは加水分解種として沈殿するのみならず、C-S-Hと相互作用して、移行が遅延されることを示唆する。