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[2H17] 流路形成を考慮した不飽和層におけるセシウムの遅延効果の評価
キーワード:地層処分、不飽和層、遅延係数、浅地中間貯蔵、カラム実験
浅地中では土壌粒子の間隙に液相と気相が混在する不飽和層が形成される。核種移行に及ぼす不飽和層の影響としては、流路が気相に塞がれることによる移行経路の複雑化や、核種の接触面積の減少に伴う固相の収着能の低下が考えられる。そこで、本研究では、ケイ砂を充填したカラムにより不飽和層を模擬し、X線CT値からカラム内部の飽和率分布を得るとともに、セシウムの移行挙動を破過実験により調べた。そして、前報で報告した、カラム内部に2本の流路(飽和層と不飽和層)があるという前提をもとに各々の流路の移流拡散方程式の解を重ね合わせる手法により、不飽和層の部分の遅延係数を評価した。その結果、飽和率の増加に伴い遅延係数が小さくなる傾向が確認され、得られた遅延係数は従来の飽和率補正による遅延係数と比べて2/3程度小さく見積もられた。これらは、従来手法が不飽和層における遅延効果を過大に評価する場合が存在する事を示唆している。