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[2K04] 溶脱による変質を考慮した汚染コンクリート廃棄物の合理的処理・処分の検討
非破壊CT-XRD連成法を用いたCa溶出によるコンクリートの微細構造の変質観察
キーワード:非破壊CT-XRD連成法、溶脱現象、Ca溶出、遷移帯
本研究ではコンクリートが水に触れることで生じるCa2+溶出による微細構造の変質を調べるために、セメントペーストと骨材から成る供試体を作製し溶出実験を行った後、大型放射光施設において非破壊CT-XRD連成法で測定した。溶出実験は水セメント比が0.5で石灰石を一粒挿入した微小供試体を作製し、湿布養生した後脱イオン水に浸漬させ、20度と80度の恒温器内で28日間の溶出試験を行い、定期的に溶液からCa2+溶出量を測定した。次に溶出実験後の供試体の内部をX線CTにより可視化し、更にCT画像から関心領域を特定し、X線回折を行った。その結果、80度の方が20度よりものCa2+溶出速度が大きく、CT画像から溶脱フロントが内部まで進行することを確認した。また、遷移帯に沿って溶脱フロントが深くなることを明らかにした。更にX線回析から非溶脱領域では顕著であったCa(OH)2のピーク強度が、溶脱領域では減少しており、CT画像で定義した溶脱領域ではCa(OH)2の溶脱が明らかになった。