2022年春の年会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 505-1 放射性廃棄物処理

[2K01-04] 汚染コンクリート

2022年3月17日(木) 09:30 〜 10:45 K会場

座長:佐藤 淳也 (JAEA)

10:15 〜 10:30

[2K04] 溶脱による変質を考慮した汚染コンクリート廃棄物の合理的処理・処分の検討

非破壊CT-XRD連成法を用いたCa溶出によるコンクリートの微細構造の変質観察

*塘 安奈1、Yingyao Tan1、杉山 隆文1 (1. 北大)

キーワード:非破壊CT-XRD連成法、溶脱現象、Ca溶出、遷移帯

本研究ではコンクリートが水に触れることで生じるCa2+溶出による微細構造の変質を調べるために、セメントペーストと骨材から成る供試体を作製し溶出実験を行った後、大型放射光施設において非破壊CT-XRD連成法で測定した。溶出実験は水セメント比が0.5で石灰石を一粒挿入した微小供試体を作製し、湿布養生した後脱イオン水に浸漬させ、20度と80度の恒温器内で28日間の溶出試験を行い、定期的に溶液からCa2+溶出量を測定した。次に溶出実験後の供試体の内部をX線CTにより可視化し、更にCT画像から関心領域を特定し、X線回折を行った。その結果、80度の方が20度よりものCa2+溶出速度が大きく、CT画像から溶脱フロントが内部まで進行することを確認した。また、遷移帯に沿って溶脱フロントが深くなることを明らかにした。更にX線回析から非溶脱領域では顕著であったCa(OH)2のピーク強度が、溶脱領域では減少しており、CT画像で定義した溶脱領域ではCa(OH)2の溶脱が明らかになった。